Fantastic Necro Show

    
      02.宵闇少女

    夜の闇 風が撫ぜて 髪飾りが揺れている
    ゆらり歩いてく少女 笑いながら

    さんざめいた星達は 闇の中 飲み込まれ
    照らしだされるモノ等 ありもせずに

    金色に染まる 少女の髪色
    その色さえ 闇に包み込んで

     満天の空も 見えないままで
     少女は一人で 夜に生きてく

    劈く鳥達の声 まだまだ続く夜を
    羽ばたくその姿さえ 見えないまま

    紅色が揺れる その髪飾りは
    血に染まった 魂の色のよう

     臆病な心 闇に隠して
     少女は一人で 闇夜に生きる

    黒色で包む 少女の姿は
    無邪気なまま ただ両手を広げ

     満天の空も 見えないままで
     少女は一人で 夜に生きてく
     完全な闇夜 行く先知らず
     少女は一人で ただ歩いてく


      03.何も昇らない空

     あなたを忘れたならば
     寂しい日々をも忘れられるの?
     人形達が今夜も
     独りの私を慰めるだけ

    待宵の夜 月は満ちず

     あなたをもし憎めれば
     苦しい時間は二度と来なくて
     寂しささえ消えるのに
     宵闇の空に星は光らず

    広がる木々 陽は昇らず
    二人分の 紅茶を入れ

     あなたと過ごした日々を
     思い出すだけで時間は過ぎて
     昨日は来ないと憂い
     嘆くは今宵も同じ呟き

    来ないはずのあなたを 一人ただ待っている
    私はどれだけすごしたの?
    冷めたグラスの中の 紅茶にミルクをいれて
    またあなたを待つだけなの

     あなたの温もりでさえ
     いまだに忘れることが出来ない
     どれだけ月日が経てば
     私は独りに耐えられる?
     あなたと過ごせる日々が
     二度とは来ないと解っていても
     受け入れたくなくて、ただ
     今宵もあなたを待ち続けるの


      04.未だ消えぬ門番の悩み

    染められた 紅い空は
    美しく 鈴に映った

    沈みゆく 夕暮れと
    まだ見えぬ 三日月
    染められた 紅い空は
    美しく 鈴に映った

    緋に染まる 夕焼けは
    運命を 眺める
    凛として 咲いた花は
    まだ来ない夜を待って
    知識など 追いつかずに
    私の名 壊れていく

     忘れられた私の名 どこを探せば見つかるの?
     無くしたまま生きる 故に虚無は心に住まう

     窓から見た空景色 俄に降る あぁ鮮やかな
     彩りの雨 止んだ後に虹は架かる
     夢の中だけでもいい 私の名をもう一度でも
     誰かに呼んで欲しい 願う声は儚く遠く

     忘れられた私の名 どこを探せば見つかるの?
     無くしたまま生きる 故に浮世を儚むの
     夢の中だけでもいい 私の名をもう一度でも
     誰かに呼んで欲しい 願う声は儚く遠く


      05.墨染、桜花、妄執

    揺れている蜃気楼
    目に映る咲かない桜

    暖かな春が来て
    花は咲く 小鳥は舞う
    その中で咲いてない
    桜への迷いは斬れず

     あなたの望んだことも 咲かない桜も
     私はこの手で斬る事さえできず
     叶わない願いだけが この手に残って
     幽雅に咲かぬは、墨染の桜の花

    命さえ曖昧な
    究極の真実は何?
    いつまでもあなたの
    迷いさえ断ち斬れなくて

     例えなけなしの春を どれだけ集めても
     桜は未だに 花を咲かせなくて
     あなたの望みが叶い 桜が咲いたら
     あなたが遠くへ行きそうな気がしたんだ

     この手に持った刃を 何に向ければいい
     誰かの迷いか 彷徨う魂か
     斬れぬ物があるならば あなたの望みか
     静かに佇む桜は咲かなくて

     あなたの望んだことも 咲かない桜も
     私はこの手で斬る事さえできず
     叶わない願いだけが この手に残って
     幽雅に咲かぬは、墨染の桜の花


      06.幻想グライド

    絶景を眺めてゆく
    射すは水簾
    命を賭して行く其の訳は
    丸い地球のどこかにある
    文色の為

     風の音を聞いて 疾り出したら
     邪魔をする全ての物 射ち落とせ
     散らばった先に風景が見える
     加速しろ

    紅葉が舞い踊る道も過ぎてゆく
    通り過ぎる風景を写し行く
    終着点は見当たらない まだ疾る

     ただ幻想の中を 突き抜けていく
     見えるのは 誰にも見れない風景
     秋を追い越して 滝を突き抜け
     どこまでも進む

    流れ落ちていった 秋の滝の色は蒼く
    空と地の狭間を翔ける時さえ 音速で過ぎてく

    命を賭して行く其の先で
    知った数々の真実は何を指す

     風の音を聞いて 疾り出したら
     邪魔をする全ての物 射ち落とせ
     散らばった先に風景が見える
     加速しろ

     ただ幻想の中を 突き抜けていく
     最速で 全てのもの追い抜いて
     風も何もかも届かぬほどに
     どこまでも


      07.星屑朧光

    零れ落ちた星屑を器に集めた
    それがいつか輝いて瞬く瞬間

     拾い集めた星屑達を
     空に放てば輝く夜空
     光る星屑達の色彩
     再び零れ落ちるまで
    空に浮かぶ星屑を掌で隠す
    それがいつか煌いてこの目で見えたら
     空に飛ばした星屑達の
     光る刹那は泡沫の様
     虹のように輝いてるのは
     再び零れ落ちるまで
     夜の星空で一人浮かぶ
     下に見える森はおとなしく
     雲で月が霞むその時に
     目に映るは星屑だけ
    空に瞬く星屑達が
    明日また輝く亥の刻を
    夜が終わり消える星屑を
    次の陽が沈むまで待つ
     空に飛ばした星屑たちの
     光る刹那は泡沫の様
     虹のように輝いてるのは
     再び零れ落ちるまで
     空に飛ばした星屑達が
     例え再び零れ落ちても
     きっともう一度拾い集めて
     再び輝かせるから


      08.亡き従者と紅い月

    陽が差し込まない 部屋で一人きり
    動かない時計は 何も伝えない
    濁った紅茶も いまでは恋しい
    私の横には 誰が居たのだろう
    泣かないでと言ったあなたはもう
    そばには居なくて
    運命を変えて あなたと居たいと思ってたけど

     孤独を生きる 運命を逝く
     その先にある ものは何か?
     日向で笑う あなたを思い
     眺め続ける 紅い月を

    紅く染まってる 心が軋んだ
    いつから こんなに壊れたのだろう
    おいしいお菓子も 紅茶も何もが
    もう出ない 時計が止まった時から
    微笑んでと言ったあなたはもう
    どこにも居なくて
    あなたの時間が止まった時に何かが止まった

    止まった懐中時計をみて
    銀色 輝く ナイフをみて
    十六夜 見えない月
    思い出 全てがただ

     悲しみだけの 運命の中
     日差しを浴びて 身を焦がして
     あなたともしも 次の世界で
     また会えるなら 私は逝くよ

     届かぬ声を 太陽に放ち
     霞んでいった 視界にはただ
     あなたの姿 それだけ映る
     また会えるから 私は逝くよ


      09.信仰欠如世界に孤独に佇む

     夜の始まる頃世界が始まり
     夜の終わる頃孤独が消え去る

    夏風ふいて水面揺らしていき
    ボヤけず見える世界探し続けて
    水面に映る星空ふと見上げて
    夜空の光る月が優しく僕を照らす

     夜が造りだした景色を眺めて
     一人孤独にたたずんでいることに慣れる

    夜空に光る星屑届きそうで
    手を伸ばしたけれど届かなかったよ
    賑わう町の灯りをふと見つめて少しずつ
    消えてく灯りに一人黄昏

     夜が造りだした景色を眺めて
     一人孤独にたたずみ時はただ流れる

     夜が造りだした景色を眺めて
     一人孤独にたたずんでいることに慣れる
     夜が造りだした景色を眺めて
     一人孤独にたたずみ時はただ流れゆく
     夜明けが近づいて闇も明ける頃
     孤独な時も朝焼けに消えてなくなる
     夜と共に


      10.ボーダーライン

     夢幻の果ての境界線 深い眠りは今に覚めて
     揺らぐ幻想の中で 永遠-とわ-を生きてく
     無限に続くループの中 変わる人や風景の中
     変わることの無い物は 変わらないまま
     空に浮かぶ雲の狭間で 降りてくる夜がただ染める
     色は紅と蒼が混ざって紫に
     夢と現さえも狂って
     今生きる場所さえもわからなくなって
     辿り着く幻想の郷は
     現実と幻想の感覚を換えて

      刻んでく この時雨が降る中
      曖昧な世界の果てで
      幾千の時を越えて生きる
      境界線の狭間で

     沈む太陽と明ける夜をいつまでも繰り返していく
     一人見下ろしてるのはいつも同じで
     揺れる未来の誘惑さえいつか感情の中に溶け込んで
     変りゆく過去と共にどこかに行って

     消えた音をかすかに聞いて
     映し出す投影は幻想の中で
     切り裂いた境界線眺め
     歪んでる裏側に暁を映し

      刻んでく この時雨が降る中
      曖昧な世界の果てで
      幾千の時を越えて生きる
      境界線の狭間で

     生と死の境界線さえも
     幻想は消し去って概念を崩し
     存在は美しく消える
     逆さまにただ映る紫の夢で

      二度と咲くことの無い花はただここで静かに佇んで
      夕景に映る姿さえ ただ透明になっていく

      刻んでく この時雨が降る中
      曖昧な世界の果てで
      幾千の時を越えて生きる
      境界線の狭間で





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